2026年9月25日に、AIエージェント向けのMCPサーバーを探せるディレクトリ、mcpnavi.jpを公開しました。その3日後の9月28日には、Kafkai Ver.4を公開しました。この日程は偶然ではありません。
Kafkai Ver.4は、MCP専用のサービスです。ダッシュボードはもうありません。お使いのAIエージェントがKafkaiに接続し、データを問い合わせます。9月にVer.4をお見せしたお客様には、まずMCPの説明から始める必要がありました。説明を聞くと、ほとんどの方はすぐに理解できました。欠けていたのは、Kafkai以外に何をつなげられるのかを確かめる手段です。
mcpnavi.jpは、その手段です。
mcpnavi.jpとは
MCP(Model Context Protocol)は、AIエージェント向けのプラグインの規格です。ChatGPTやClaudeなどのエージェントに、MCPサーバーを追加します。すると、それまで届かなかったデータを読んだり、道具を使ったりできるようになります。もう少し技術的な説明は、mcpnaviのブログに書いた拙稿『MCPとは?Model Context Protocolの歴史と仕組み(入門)』をご覧ください。
mcpnavi.jpは、このようなサーバーを1か所にまとめたものです。公開時点で、22のカテゴリに242件のMCPサーバーを掲載しています。そのうち135件が日本語に対応しています。サイトは日本語と英語の2言語です。
各サービスのページでは、接続前に確認したい情報をまとめています。
- 提供元 企業、個人の開発者、オープンソースのプロジェクト、または官公庁です。提供元が日本の法人である場合はその旨を明示し、確認に使ったページへのリンクを載せています。
- 接続方法 「URLで接続」は、アドレスを1つ登録するだけで使えるリモートサーバーです。「自分で動かす」は、ご自身のパソコンにインストールして使うものです。接続方式(stdioかStreamable HTTPか)と、HTTPSが必須かどうかも表示します。
- 認証方式 OAuth 2.1、APIキー、または認証なしです。
- 料金 料金体系と、無料枠の有無です。
- 日本語対応 「日本語ドキュメント」と「日本語サポート」の2つの欄に分けて表示します。
- できること 私たちのクローラーが接続できたサーバーについては、実際に返ってきたツールの一覧を載せています。
- 情報確認日 すべてのページに日付があります。
わからない情報は「不明」と表示します。推測では埋めません。「不明」とは、提供元がその情報を、当サイトが確認できる場所に公開していないことを意味します。その情報が必要な場合は、使う前に提供元に確認してください。各欄の情報をどこから取得しているか、掲載が何を保証しないかは、掲載基準のページにまとめています。
なぜ日本に焦点を当てるのか
MCPのディレクトリは、ほかにもあります。ただし、そのほとんどは英語で書かれ、米国で人気のあるサービスを中心に掲載しています。GitHub・Slack・Notionで仕事をしている方なら、それで十分でしょう。しかし、kintone・Chatwork・freee・e-Govで仕事をしている方には、あまり役に立ちません。
そこでmcpnavi.jpは、意図して日本のサービスに重点を置いています。掲載例をいくつかご紹介します。
- 行政のデータ デジタル庁の公式サーバーJ-Grants MCP Serverでは、補助金を検索できます。ほかにも、e-Statの統計、e-Govの法令、EDINETの開示書類、法人番号を読むサーバーがあります。
- 日本の業務ソフト freee、kintone、Chatwork、Backlog、SmartHR、Sansan、LINEなどです。
- マーケティング・SEO Kafkai MCPも掲載しています。運営している私たちのサービスが載っていなければ、かえって不自然です。
「日本語ドキュメント」の欄は、見た目以上に大切です。日本語の説明がないツールは試さない、という方は少なくありません。その気持ちは理解できます。この欄を見れば、GitHubのページを何枚も開いて調べる前に、答えがわかります。
作った理由
はっきり申し上げます。日本は、データの公開が遅れています。
知識がないわけではありません。日本の企業には、長年の製品データ、業界のノウハウ、顧客についての知見があります。しかし、その多くは社内にとどまっています。共有フォルダの中や、長く勤めている社員の頭の中です。AIエージェントが読める形になっているものは、ごくわずかです。
このことが、日本でエージェントにできることを狭めています。私の考えを順に説明します。
- AIエージェントが単独で知っているのは、学習で覚えたことと、公開されたWebで見つけられることだけです。
- MCPサーバーを1つつなぐごとに、エージェントが使える実際のデータや道具が1つ増えます。
- したがって、MCPサーバーの先にあるデータが増えるほど、エージェントは役に立つようになります。これはエンジニアに限らず、すべての利用者に当てはまります。
- 日本での仕事には、日本語のデータが欠かせません。そのデータがMCPサーバーの先になければ、モデルがどれほど優れていても、エージェントは日本の仕事を苦手です。
- そして、AIエージェントが広まるのは、誰かに勧められたときではありません。使う人の役に立ったときです。
mcpnavi.jpに、どこかの会社のデータを公開させる力はありません。できることは、すでに公開されているものについて、誰が運営しどう使うかを合わせて示すことだけです。これで利用者の手間が減ります。そして、まだ迷っている企業も、ほかの企業がすでに何をしているのかを確認できます。
データをお持ちなら、「料金体系」の欄をご覧ください
経営者に、特に見ていただきたいのがこの部分です。
MCPは、データを無償で提供するためだけの仕組みではありません。データを販売する手段にもなります。エージェントがサーバーを呼び出し、サーバーがデータを返し、その呼び出しに料金をかけるのです。
Kafkai Ver.4は、この方式で動いています。サブスクリプションも基本料金もありません。1クレジットは1円です。エージェントがKafkaiにデータを求めるたびにクレジットを消費し、誰も問い合わせなかった月の費用は発生しません。1回の呼び出しにかかる費用は、料金ページでご確認いただけます。
では、実際の掲載を見てみましょう。マーケティング・SEOのカテゴリでは、現時点で5件中4件の料金体系が「不明」です。この市場は、まだ始まったばかりのだからと思います。料金を公開している提供元はわずかです。つまり、これから料金を示す提供元には、まだ十分な余地があります。
業界の人がお金を払ってでも調べたいデータをお持ちなら、次の3つを考えてみてください。
- 御社のデータでしか答えられない質問を、AIエージェントに聞くのは誰か。
- その答えは、相手にとって1回あたりいくらの価値があるか。
- mcpnavi.jpに掲載されているサービスのうち、御社が作るものに最も近いのはどれか。
3つ目の問いがあるからこそ、まだ何も作っていない段階でも、このディレクトリは役に立ちます。御社に近いカテゴリのサービスを見てください。誰が運営し、どう接続し、どう課金しているのかがわかります。
MCPの掲載について
MCPサーバーを運営している方は、mcpnavi.jpへの掲載をご依頼いただけます。現在も、企業、個人の開発者、オープンソースのプロジェクト、官公庁のサーバーを掲載しています。日本語のドキュメントがある場合は、あわせてお知らせください。掲載ページに表示します。
サーバーの名前、リポジトリかドキュメントのリンク、接続方法を添えて、[email protected] までご連絡ください。掲載内容の誤りや古い情報のご指摘も、同じアドレスで受け付けています。ご連絡の前に、どの項目を記録しているかを掲載基準でご確認ください。
始め方
- mcpnavi.jpを開き、お仕事に近いカテゴリを選んでください。
- 「URLで接続」と表示されたサービスを探してください。ChatGPTやClaudeに最も簡単に追加できます。
- つなぐ前に、「日本語ドキュメント」と「料金体系」の欄を確認してください。
始める前にMCPについて知りたい方のために、mcpnaviのブログに技術記事を3本用意しています。『MCPとは?Model Context Protocolの歴史と仕組み(入門)』、『リモートMCPサーバーとローカルMCPサーバーの違い(提供形態と接続方式)』、『MCPサーバーの認証方式とは?OAuth 2.1とAPIキーの基本』です。
Kafkai Ver.4では、私たち自身のデータをMCPの先に置きました。mcpnavi.jpでは、皆さんがほかのデータを見つけるお手伝いをします。
この記事についてご質問があれば、[email protected] までご連絡ください。