今月、あるお客様からこんなお話を伺いました。ネットショップの訪問者数が、2年前の4〜5倍に増えたそうです。ただ、続けてこうおっしゃいました。「来てはくれるけれど、買ってはくれない」。

このお客様は、2年間キーワードデータに料金を払ってきましたが、ほとんど活用できていませんでした。コラムで使う一番大事なキーワードは、別の方から受け取っていたそうです。Search Consoleもときどき開くものの、どこを見ればよいのかわからないままでした。

同じような状況にある方に向けて、この記事を書きました。テーマは検索順位ではありません。数字は増えたのに、ほかは何も変わらない。そんなときに何を見ればよいのか、というお話です。

見るべき数字は、順位ではなかった

これまで、サイトの状態を確認するといえば、狙ったキーワードで上位に表示されているかどうかでした。順位はわかりやすく、上がればうれしい数字です。しかし、順位だけを見ても、ほとんど何もわかりません。

順位は、1つの点にすぎません。自社より上に誰がいて、なぜ上にいるのかはわかりません。競合が上位に表示されていて、自社が表示されていないキーワードもわかりません。どのページが「じっくり読んでくれる人」を連れてきて、どのページが「5秒で帰ってしまう人」を連れてきているのかもわかりません。先月から何が変わったのかも、わかりません。

冒頭のお客様も、順位は悪くありませんでした。それでも、一番知りたい「次に何をすればよいのか」には答えが出せませんでした。

足りなかったのは、データを読む人

9月にお客様とじっくりお話しして、わかったことがあります。データが足りない方はいませんでした。足りなかったのは、データを読む人です。データを増やしても、この問題は解決しません。必要なのは、よりよい判断です。この点は企業の成長はデータ量ではなく意思決定の質で決まるでも取り上げています。

キーワードの表は、表を読むことが仕事の人に向けて作られています。小さな会社には、そうした担当者がいません。そのため、データは手つかずのまま残ります。あるお客様は、「いいところを使い切れなかった」と率直に話してくださいました。

Kafkai Ver.4で変えたのは、まさにこの点です。データを読むのは、お客様ではなくAIです。すでにお使いのChatGPTやClaudeにKafkaiを接続し、いつもの言葉で質問してください。AIがKafkaiから実際の数字を取得し、答えを返します。この接続の仕組みはMCPと呼ばれ、AIに機能を追加するプラグインのようなものです。詳しくはVer.4のお知らせでご説明しています。

ただ、仕組みはこの記事の本題ではありません。大事なのは、次の4つの質問に、はじめて答えが返ってくるようになったことです。

4つの質問

数字の山を「次にやること」に変えるための質問です。この順番で聞いてください。

1. 誰に、どのキーワードで負けているか

競合を調べるとき、Similarwebで相手サイトのアクセス数を確認したことがある方は多いと思います。Similarwebでわかるのは「どれだけ訪問されているか」です。「どの検索から訪問されているか」はわかりません。知りたいのは「自社は何位か」ではなく、「競合は上位にいて、自社はいないキーワードはどれか」です。

Kafkaiは、自社と競合が検索結果に表示されるすべてのキーワードを、4つのグループに分けます。両方が争っているもの、競合だけが取れているもの、自社は取れているがまだ伸ばせるもの、まだ誰も取っていないものです。次に書く記事は、2つ目のグループから見つかります。競合がどこかわからなくても問題ありません。自社のドメインを伝えて、「競合はどこか」と聞いてください。

2. 競合にはリンクしていて、自社にはリンクしていないサイトはどこか

競合2社以上にリンクしていて、自社にはリンクしていないサイトは、声をかけられる相手です。この一覧が、被リンク獲得の出発点になります。無料のAIでは見られないデータです。一度聞けば、推測ではなく、実際に連絡できる相手の一覧が手に入ります。

3. 記事を公開したあと、訪問者はどう動いたか

冒頭のお客様に必要だったのは、この質問です。Search Consoleを一度接続し、「今週、何が変わったか」と聞いてください。クリックが増えたページ、減ったページ、検索結果に表示されてもクリックされないページがわかります。Googleがクロールしたのにインデックスに登録していないページもわかります。

すると、すぐに帰ってしまう人を連れてくるページと、求めている人を連れてくるページが見えてきます。前者は手直しし、後者と同じような記事を増やしましょう。

4. 先月から何が変わったか

1回分のデータでわかるのは、今の位置だけです。2回分あれば、どちらに向かっているかがわかります。Kafkaiは、データを更新するたびに以前のデータも残します。数か月たてば、順位が上がったキーワード、増えたリンクと失ったリンク、最も勢いのある競合を聞けるようになります。現在地しかわからない写真と、進む方向までわかる地図の違いです。

この4つを聞くと、返ってくるのは表ではありません。「この古い記事を直す」「この新しい記事を書く」「この3つのサイトに連絡する」といった短いリストです。それぞれに理由も添えられています。

自社サイトで試してみました

4つの質問を紹介して終わりにするのは簡単です。そこで今週、弊社のニュースサイトkafkai.aiについて、実際に同じ質問をしてみました。数字はすべてKafkai経由で取得し、数字ごとに出どころを記載しています。

9月28日までの28日間で、kafkai.aiはGoogleの検索結果に10,239回表示され、クリックは78回でした(Search Console)。その前の28日間は、表示が16,227回、クリックが64回です。表示回数は3分の1以上減りましたが、クリック数は増えました。平均掲載順位は23.9位から17.0位に上がっています。表示回数だけを見れば不安になり、順位だけを見れば安心するでしょう。3つを並べてはじめて、「表示される回数は減ったが、選ばれる割合は上がった」という状態が見えてきます。

次にやるべきことは、4つのページが教えてくれました。

Neil PatelとSEOについての記事は、757回表示されたのに、クリックは0回でした(Search Console)。順位は18位です。タイトルが、検索した人の知りたいことに合っていないため、クリックされません。必要なのは新しい記事ではなく、書き直しです。

McKinseyのAIレポート(State of AI)を取り上げた記事は、1か月で28位から7.8位に上がりました(Search Console)。表示は898回、クリックは3回です。Googleは1ページ目に載せてくれましたが、タイトルがクリックにつながっていません。順位が下がる前に、検索結果に表示されるタイトルと説明文を直します。

日本企業のマレーシア進出についての記事は、クリックが3回から13回に、表示が56回から292回に増えました(Search Console)。数は小さいものの、伸びている方向ははっきりしています。このテーマの記事を増やします。

キーワード難易度についての記事は、8月の表示が1回だったのに対し、9月は210回でした(Search Console)。順位は28位です。検索される需要が生まれたのに、ページは3ページ目にあります。最初に手を入れるのは、この記事です。

ここまでは、Search Consoleだけでわかったことです。タイトルを2つ書き直す、同じテーマの記事を増やす、古い記事を1本直す。Search Consoleでわかるのは、自社サイトで何が起きたかです。次に何を書くべきか、誰が行く手をふさいでいるかはわかりません。それを教えてくれるのが、Kafkaiの残り3つのデータです。そこで、こちらにも質問しました。

検索順位 Kafkaiの調査では、kafkai.aiが日本で順位を持つキーワードは7つでした(Kafkai)。1ページ目に近いのは1つだけで、「検索 意図」が20位、月間検索数は320回です。順位がついているのは、検索意図についての記事です。このサイトで最も少ない手間で成果が出るのは、このキーワードです。1ページを書き直せば、1ページ目に1つ入れられます。残りの6つは35位から94位にあり、ほとんど誰の目にも触れていません。そのうちサードパーティCookieに関する2つは、月に1,000回と720回検索されています。ページはあるのに、埋もれているのです。

広告主の入札価格 Kafkaiは、キーワードごとに広告主が1クリックあたりいくら払っているかも返します。7つのうち、広告主がお金を払っているのは「AIの課題」だけでした(Kafkai)。値段がついているキーワードは、誰かがそれで利益を上げているキーワードです。手間をかける価値があるのは、このキーワードです。

競合と4C Kafkaiに、競合としてgraffer-aistudio.jpを1社登録しました。Kafkaiは2つのサイトを比較し、耳の痛い答えを返してきました。相手のサイトは権威性がkafkai.aiの2.4倍あり、相手のキーワードで正面から争うのは得策ではない、というものです(Kafkai)。そのうえで、591個のキーワードを4Cフレームワークの4つのグループに分けました。

  • Catch-up(相手が取っていて、自社が取れていないもの):55
  • Compete(両方が順位を持つもの):3
  • Consolidate(自社だけが取れているもの):4
  • Complement(まだ誰も取っていないもの):522

kafkai.aiのようなサイトにとっての答えは、最後のグループです。「DX推進」(月4,400回)、「データ活用」(月1,900回)、「AI 業務効率化」(月1,300回)は、まだどのサイトも取っていません(Kafkai)。次の記事は、ここから選びます。問題、どうやってそのキーワードを含む記事に、弊社の事業内容のテーマにフィットさせるのか、ということです。

ただし、リストは完璧ではありません。先頭に挙がったのは医療の加算制度の用語で、私たちの事業とは関係がありませんでした。候補を並べるのはAI、最後に選ぶのは人です。

被リンク kafkai.aiは、82サイトから316本のリンクを受けています。競合は、92サイトから1,278本です(Kafkai)。リンク元のサイト数はほぼ同じなのに、リンク数は4倍です。Kafkaiは「競合2社にリンクしていて、自社にはリンクしていないサイト」の一覧も出せます。ただし、それには競合が2社必要で、今回は1社しか登録していません。そのため今月の答えは、「2社目の競合を追加してから聞く」です。

4つのデータを合わせると、Search Consoleだけでは出てこないリストができました。

  • タイトルを2つ書き直す
  • 埋もれている記事を1本直す
  • 「検索 意図」を1ページ目に上げる
  • まだ誰も取っていない「DX推進」の記事を最初に書く
  • 2社目の競合を追加して、リンク元の一覧を取得する

ここまでに使った質問は全部で6つ、Kafkaiのクレジットは15円分でした。

Kafkaiにできないこと

できないことも、先にお伝えしておきます。使っていただければ、いずれわかることだからです。

Kafkaiが持っているのは検索データです。キーワード、順位、被リンク、競合、そしてお客様ご自身のSearch Consoleのデータです。業界の統計や事実は持っていません。記事の内容が正しいかどうかも確認しません。文章を書くことも事実を調べることもAIの役割で、公開前に内容を確認するのはお客様です。Kafkaiは、特に指定がない限り下書きとして投稿します。お客様の確認なしに記事が公開されることはありません。

もう1つあります。訪問者がなぜ買わなかったのかは、今のKafkaiではまだわかりません。わかるのは、どのページが、どのような訪問者を連れてきたかです。これは答えの出発点であって、答えそのものではありません。残りの答えは、多くの場合「信頼」にあります。詳しくはトラフィックは悪くないが、コンバージョンを生むのは信頼であるをご覧ください。

安心して使っていただくために、1つだけおすすめしたいルールがあります。AIに「数字ごとに、Kafkaiから取得したものか、Webから取得したものかを明記して」と伝えてください。気になる数字があっても、あとから出どころを確かめられます。

費用

月額料金はありません。1クレジットは1円で、使わない月は0円です。自社サイトと競合1社の調査は、1,000円以内に収まります。上の4つの質問は、1回あたり数十円です。この記事で行ったkafkai.aiの確認は15円でした。冒頭のお客様が今月、Search Consoleのデータを読み取ったときは62円でした。記事の執筆には、Kafkai側の費用はかかりません。書くのはお客様のAIだからです。料金の詳細は料金ページをご覧ください。

まずは1つ質問してみてください

最初からすべてを設定する必要はありません。アカウントを登録して無料の1,000クレジットを受け取り、自社サイトについて1つ質問してみてください。何を入力すればよいかわからない場合は、プロンプト例のページにそのまま使えるプロンプトを用意しています。1つコピーして、ドメイン名を書き換えて送るだけです。

返ってきた答えに驚いたら、そこが次に見るべき場所です。

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