本題に入る前に、なぜ電話のサービスのお知らせがKafkaiのブログに載っているのか、少しだけご説明させてください。PuchiDenを運営主体となってるのはエストニアのMirakuru Europa OÜで、Kafkai Gikenではないですが、両社は姉妹会社で、私たちはMirakuruのチームと一緒にPuchiDenを共同開発・運営にも携わっています。ですから、自社で作っているほかのプロダクトと同じように、このブログでご紹介しています。Kafkaiを探していらしたのに電話のサービスが出てきて戸惑われたとしたら、どうもすみませんでした。

2026年4月にPuchiDenを公開したとき、それは公衆電話のようなものでした。ブラウザの前に立ち、世界中のどこへでも番号を押して、話す。できなかったのは、誰かに番号を渡して、その人からかけ直してもらうことです。公衆電話には番号がありません。それが公衆電話というものの本質であり、PuchiDenの本質でもありました。

公開後にいちばん多くいただいたのは、言い方こそ違え、同じ内容のご質問でした。「便利だけれど、こちらに電話をかけてもらうことはできますか」。旅行者の方は、銀行が認識してくれる番号を求めていました。小さな会社の方は、オフィスを持たない国での現地の窓口を求めていました。海外に移った方は、母国の家族が国際電話料金を払わずにかけられる番号を、そのまま残しておきたいと考えていました。

2026年5月29日から、それができるようになりました。PuchiDenに着信番号が加わりました。別の国の実在する電話番号で、かかってきた通話を、あなたがすでにお使いの電話へ転送します。

着信番号とは何か

着信番号は、別の国に登録された、実際にダイヤルできる電話番号です。相手はその番号を、ふだん現地の番号にかけるのとまったく同じようにダイヤルします。すると通話は、あなたが指定した電話へ転送されます。いま手元にある、あなたの電話、あなたの端末へ。あなたが世界のどこにいても、ポケットの中の同じ端末へ届きます。

私がこだわっているのは、その転送のしかたです。通話はインターネット経由ではなく、通常の電話網を通って届きます。あなたと相手のあいだにアプリは挟まりません。ブラウザのタブが目を覚ますあいだの「3、2、1、まもなく接続します」もありません。着信番号は、電話のふりをしたアプリではなく、電話そのものとしてふるまうべきだと考えています。かけてきた相手は、PuchiDenが関わっていることに気づきません。あなたの端末も気づきません。ただ、鳴るだけです。

あなたの本当の番号は、かけてきた相手には見えません。相手に見えるのは、あなたが借りた現地の番号だけです。その通話が最終的にどの電話へ届いているのかは、相手にはわかりません。

どの国の番号を持てるか

まずは10か国の番号からはじめます。月額レンタル料は以下のとおりです。

月額レンタル料
アメリカ €3~
カナダ €3~
イギリス €5~
エストニア €6~
マレーシア €8~
ニュージーランド €8~
オーストラリア €15~
香港 €20~
シンガポール €20~
タイ €30~

発信については、これまでどおり180か国以上にかけられます。今回新しくなったのは着信のほうで、当面は上記の10か国の番号をご用意しています。この一覧は、私たちが番号をきれいに、そして合法的に手配できる範囲を示したものであって、ここで止めておきたい範囲という意味ではありません。

この一覧は、今後対応国が増えるのにあわせて更新していきます。最新の対応国と料金については、PuchiDenの製品アップデートページをご確認ください。

かかる費用について

料金は3つの部分に分かれています。2つをこっそり埋め込むより、3つとも並べてお見せするほうがよいと考えています。

  1. 初期設定料€20(約3,200円)。 これは一度だけ発生します。番号を作成する際の本人確認と、回線の手配にかかる費用です。
  2. 月額レンタル料。 選んだ国に応じて、上の表のとおりです。
  3. つながった通話の通話料(分単位)。 着信側(発信者からあなたの番号まで)は一律で1分あたり€0.06です。転送側(あなたの番号から実際の電話まで)は、あなたの電話がある場所に応じた通常の発信料金で計算します。

分単位の料金は、具体例がないと意味をつかみにくいものです。たとえば、イギリスの番号を月額€5で借りて、日本の携帯電話に転送するとします。誰かがかけてきて、5分間話したとします。

  • 着信側:5 × €0.06 = €0.30
  • 転送側(日本の携帯電話):5 × €0.26 = €1.30
  • 通話料の合計:€1.60(約260円)。これに月額€5が加わります。

応答がなかった通話は、発信のときと同じく無料です。課金されるのはつながった通話だけで、1通話あたり1分が最低料金です。携帯電話への転送は固定電話への転送より高くなります。私たちにとっても、そのほうが費用がかかるからです。

どんな方に向いているか

これまでPuchiDenが向いていた方たちに、新しく何人かが加わります。

  • 引っ越して、番号を置いてきた方。 出てきた国の番号をそのまま持ち続けられます。家族や昔からの知り合いは現地通話としてかけるだけで、いまあなたがいる場所につながります。
  • 市場をためしてみたい小さな会社の方。 オフィスを持たない国の現地番号を、月にわずか数ユーロで。SIMも、支店も、現地キャリアとの契約もいりません。
  • 銀行や役所が受け付けてくれる番号が必要な方。 システムにそっと弾かれてしまう外国の番号ではなく、あなたに転送される、現地の実在する番号を。

それでもこれは、統合コミュニケーションプラットフォームではありません。あなたの電話を鳴らす、一つの電話番号です。

正直にお伝えしておきたいこと

着信番号は、発信の1本の通話よりも、用意するのに手間がかかります。申し込んだあとで気づいていただくより、いまお伝えしておきたいと思います。

  • 本人確認があります。 電話番号は規制の対象であり、規制当局は誰がその番号を持つのかを知りたがります。政府発行の写真付き身分証および/または法人の登記事項証明書が必要で、国によっては住所確認書類や現地住所の登録も必要です。本人確認を含めた手続き全体に、通常7営業日ほどかかります。すぐに使えるわけではありませんし、すぐに使えるふりをするつもりもありません。
  • 緊急通報はできません。 着信番号からは、112・110・119・911をはじめ、どの緊急通報にもつながりません。そのためには現地の実回線を別に持っておいてください。これはその用途の道具ではありません。
  • 公衆電話網であって、秘匿された経路ではありません。 通常の電話網を通る通話はエンドツーエンドで暗号化されておらず、通話を実際につなぐために必要なメタデータは、私たちの通信事業者が処理します。暗号化された音声通話が必要であれば、これは適した道具ではありません。その点ははっきり申し上げます。
  • 通話記録は60日間保持し、その後削除します。 かかってきた通話の記録は、あなたが着信を確認できるように2か月間だけ保持し、その後は完全に削除します。通話の録音は行いません。

取得の手順

  1. メールアドレスだけでアカウントを作成します。
  2. そのアドレスからサポートにメールを送り、どの国の番号がほしいかをお知らせください。
  3. その国の本人確認を済ませます。
  4. ご提示した番号の中から選びます。
  5. 番号が有効になります。転送先を設定すれば、あなたの電話が鳴りはじめます。

これだけです。料金と対応国の詳しい内容はPuchiDenの着信番号のページでご確認いただけます。PuchiDenをはじめてお知りになった方は、公開時のお知らせに、それが何で、なぜ作ったのかを書いています。

PuchiDenはエストニアのMirakuru Europa OÜが運営し、日本のKafkai Gikenと共同開発しています。EUのGDPRのもとで運用しています。