私は、2025年5月にSkypeがサービスを終了して以来、ずっと電話のかけ方について考え続けてきました。代替として案内されたものはどれも、同じことを求めてきます。アプリをインストールしてください。アカウントを作成してください。本人確認のために電話番号を登録してください。トラッキングタグを受け入れてください。電話を一本かけるためにアプリをインストールするのは、よく考えてみるとおかしな話です。銀行に電話するためにアカウントを作るのも同じです。
私たちは2026年4月27日、puchiden.appでPuchiDenを公開しました。1995年の公衆電話と同じように使える、ブラウザベースの国際電話サービスです。受話器を取って、番号を押して、話します。アプリも、アカウントも、トラッキングもありません。

何ができるサービスか
- ブラウザだけで使えます。 ノートPC・デスクトップ・スマートフォンのブラウザから、そのまま発信できます。インストールするものはありません。
- 180か国以上をカバーしています。 固定電話にも携帯電話にも。銀行・役所・大使館・ホテル・病院など、電話番号があるところならどこへでもかけられます。
- アカウントもパスワードもトラッキングタグもありません。 SIMカードも不要です。通話をつなぐためにあなたが誰なのかを知る必要は、私たちにはありません。
- つながった通話だけが課金対象です。 チャージは€5(約800円)から。月額課金もシート単位の課金もなく、最低利用料金もありません。応答がなかった通話は無料です。
どんな方に向いているか
PuchiDenは、統合コミュニケーションプラットフォームを必要としていない方たちのためのサービスです。電話を一本かけたいだけ、という方たちのためのものです。旅行先のホテルから銀行や大使館に連絡したい旅行者の方。海外にご家族がいらっしゃる方。海外の取引先にときどき連絡を入れる小さな会社の方。プラットフォームではなく道具を求めていた、Skypeをお使いだった方。
チャットアプリでも、ビデオ通話アプリでも、AI要約サービスでもありません。意図的に、電話をかけるという ただただ一つ のことだけに絞っています。
作ったきっかけ
私はキャリアの大半を電話まわりのプロダクトづくりに費やしてきました。20年ほど前にSMS・SIP・WebRTCの基盤サービスを提供するXoxzoを立ち上げ、コーデック・NAT越え・キャリアルーティング・ジッターバッファといった、地味ながら通話品質を左右する部分にずっと向き合ってきました。だからこそ、業界が「普通の人が電話に求めているもの」から少しずつ離れていったのが見えていたのだと思います。なぜPuchiDenを作ったのか、そしてあえて何を載せなかったのかについては、puchiden.app側の「PuchiDenを作った理由」で詳しく書いています。
このリリースは、独自ドメインのメール転送サービスKaiMailと同じ流れの中にあります。長く使われてきたインターネットの基盤的なツールが、いつの間にか余計なものまみれになってしまったときに、本来の使い心地に戻したものを届けること。これがPuchiDenとKaiMailに共通する考え方です。メールも電話も、本来はインターネットの裏方として地味に動いていてほしいものです。実際にはそうなっていない場面が多く、私たちはそのすき間に、繰り返し戻ってきています。
使ってみるには
puchiden.appにアクセスし、国を選んで番号をダイヤルしてください。続けて使う場合は€5(約800円)からチャージできます。通話がつながらなかった場合は課金されません。
PuchiDenはエストニアの関連会社Mirakuru Europa OÜが運営し、日本のLaLoka Labsと共同開発しています。EUのGDPRのもとで運用しています。