小さな会社のブランディングと値上げ戦略:『4割値上げで始まる小さな会社のらしさブランディング』を読む

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小さな会社の価値を最大限に引き出す方法を解説

Kafkaiを展示会で出させていただくときに、弊社が使う助成金を申請した際に、東京商工会議所を通じて中小企業診断士の先生との面談がありました。初めて著者の吉田由佳先生とお会いしたのもこの時でした。面談では明らかにやっておくべきことが出来ていないと指摘され、非常に苦しい思いをしました。😆

しかし、吉田先生は経験豊富な中小企業診断士で、これまでの経験がこの本には詰まっています。

はじめに

中小企業が成長するためには、どうすれば良いのか。吉田先生の『4割値上げで始まる小さな会社のらしさブランディング』では、その答えを提供しています。定型的な値上げではなく、企業の「らしさ」を際立たせ、顧客との深い関係を築くための実践的な戦略を探ります。

本は大きく4つのセクションに分かれています。

本の表紙が映る画像。中小企業のブランディングについての書籍レビュー向けで、「4割値上げ」で始まる内容が示されている。

第1章: 万人ウケから脱却する

理想顧客の見える化

中小企業が陥りがちな落とし穴は、「誰でもいいから来てほしい」という発想です。しかし、成功には理想の顧客像を具体的に描く必要があります。本書では、感情を動かす要素(感動・応援・共感・メリット)を通じて、ファン層を明確にし、「理想のお客様像」を見える化する方法を提案しています。消費者心理を考慮し、顧客ターゲットを言語化・画像化するワークを通じて、企業にとって最適な顧客層を明らかにします。

第2章: 「NO罪悪感」で進む値上げ戦略

罪悪感のない値上げ

値上げは経営者の頭を常に悩ませる課題です。しかし、吉田氏は、罪悪感を手放さなければならないと説きます。成長のための適正な価格設定の重要性を強調し、「高級品の壁」や「安売り文化」といった心理的障害を乗り越え、自社に無理のない売上目標を立てる指針を提供しています。自社のライフスタイル、働き方に根ざしたゴール設定を通じて、「自分らしく生きる」ことを支えるマインドセットを示しています。

第3章: “らしさ”でブランド価値アップ

この章が特に参考になりました。中小企業は、大企業が安価に大量生産している商品が溢れる現代において、自分しかできない、自分しかいない存在をもっともっと全面に出して発信しなければならないと感じます。埋没するだけでは意味がありません。ちゃんと輝かせて見つけてもらい愛されるためには、ブランディンングが必要です。

ブランドを輝かせる3ステップ

  • 棚卸: 自社の歴史や価値観、他者からの評価を見直すことで、本当の自分を理解します。
  • トリセツ: 自社のコンセプトやビジョンを明文化し、全員で共有します。
  • 発信: ブランド体験としてのタッチポイントを設計し、顧客に自社の強みを体感してもらいます。

この3ステップで、“らしさ”を明確にし、顧客と感情的な繋がりを強化します。「トリセツ」とは、取扱説明書のことですが、ブランドに対して社内と社外の2種類があります。

Kafkai Ver.3を出してから、いただいたお客様のフィードバックから考えてもどう自分をブランディングするのかが苦労してるとこがわかりました。コンテンツを簡単に作れて大変助かったと、言っていただいてますが、生成AIはブランディングを含めた会社経営の戦略によりハイレベルな役割を果たせないかが今私達解決する課題ではないかと感じています。

第4章: 三方良しのビジネスモデル

仕組み化による永続可能性の追求

持続可能なビジネスモデルを作るためには、効果的な「仕組み作り」が必要です。本書では、経営者の負担を減らし、従業員や顧客、取引先の満足を重視する「三方良し」な事業モデルを築く方法を解説しています。例えばマニュアル化や役割分担の明確化により、組織全体が一丸となって目標に向かう環境を作ることが強調されています。

結論

『4割値上げで始まる小さな会社のらしさブランディング』は、中小企業が自社の強みを再発見し、その強みを基にした持続可能なビジネスモデルを構築するための指南書です。値上げ戦略から理想の顧客設定、ブランド価値の引き上げまで包括的に描かれており、読者が自社の可能性を最大限に引き出せるようサポートします。中小企業の経営者にとって重要な着眼点となる一冊です。

この本の中で特に好きなのが、各セクションの終わりにあるワークです。そのセクションで説明されていたことを言語化・具体化させるためのワークがあり、ただ文章を読むだけでなく、手と頭を動かして自分のことを理解することができました。

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