クアラルンプールでの思い出深いミートアップを振り返る

-

| Read in English

クアラルンプールでの感動的な夜、起業家精神、テクノロジー、そしてコミュニティサポートの重要性を振り返る

思い出に残る夜

先週の土曜日(2024年8月10日)、クアラルンプールのTaman Melawatiで、素晴らしい皆さまとお会いする機会をいただきました。今回のミートアップは、Taming TechがトレーニングセンターのKelasProgramming.comにて快く会場を提供してくださり、週末のイベントにもかかわらず約50名もの参加者が集まる盛況ぶりとなりました。土曜の夜のお忙しい時間に私のビジネスやSaaS、Pythonコミュニティに関する経験を聞きにきてくださった皆さまに、改めて心より御礼申し上げます。

当初は、街に滞在するついでに、コーヒーでも飲みながら10名ほどと気軽にお会いできればと考えておりました。スライドを使った本格的なミートアップを計画していたわけではありませんでしたが、ありがたいことにこうした場が与えられ、多くの方にお集まりいただけたことを大変嬉しく思います。

Screenshot Of The August Meetup On Peatix

多様な聴衆、しかし目立つ性別格差

会場に入ると、比較的若い世代の方々が多数を占めており、40歳以上の方はわずか4名ほどでした。この若々しいエネルギーが終始感じられ、ディスカッションもとても活発でした。しかしながら、ジェンダーの比率に大きな偏りがある点は見過ごせません。約50名の参加者のうち女性は3名のみで、その事実が私たちの業界における継続的なジェンダーギャップを浮き彫りにしていました。今回のイベント自体は多様性とインクルージョンをテーマにしていたわけではありませんが、こうした状況を目の当たりにし、その重要性をあらためて認識しました。私たちがこの問題にさらなる意識を払い、積極的に変えていく必要があると強く感じています。

Collage Of Aug 2024 Meetup in KUL

言いたかったことは、「還元とサポートの認識」

プレゼンテーションの冒頭で、私は「自分の価値は、自分が提供する価値と同じだけである」という基本的な信念を共有しました。この考え方は、私のキャリアにおけるさまざまな浮き沈みを乗り越えるうえでの大きな指針となってきました。また、「セルフメイド(完全に独力での成功)」という言葉に象徴されるような考え方とは異なり、私がここまで来られたのは、数え切れないほどの機会と周囲の皆さまからの支援のおかげだということも強調しました。起業家は孤軍奮闘するものだというイメージが先行しがちですが、実際にはコミュニティやサポート、協力が非常に重要であることを忘れてはならないと考えています。

刺激的な質問

その後の質疑応答では、以下のような興味深い質問が寄せられました:

  • 「コミュニケーションに消極的なメンバーのチームワークを、どのように改善すればよいか?」
  • 「文化や言語が多様なチームを、どのようにマネジメントしているか?」
  • 「最初の顧客をどのように見つけるのか?」
  • 「ビジネスパートナーはどのように選ぶべきか?」
  • 「どのテクノロジーに投資すべきか?」
  • 「資金がない場合、どのように対処すればよいか?」
  • 「アイデアはどのように検証すればよいか?」
  • 「なぜビジネスを売却する決断を下したのか?」
  • 「特許はビジネスの成長に貢献するのか?」
  • 「どのようなニッチビジネスを見つけたのか?」
  • 「エグジットで資金を得た後でも、一から始めるのが難しいのはなぜか?」
  • 「なぜ日本に行く道を選んだのか?」
  • 「スタートアップはどのように機能するのか?」

起業家精神の個人的な性質

これらの質問を受けるなかで、起業とは非常にパーソナルなものであるということを改めて痛感しました。私自身の意思決定は、人格や価値観、そして周囲との人間関係に大きく左右されてきました。同じ質問でも、質問者の置かれた状況や考え方によって答えは千差万別です。起業に関するノウハウは、財務戦略や市場調査、資金調達など、プロセスとして教えられる部分もあるかもしれませんが、最終的には個人の性格や志向が大きく影響を与えます。そのため、起業とは各人にとって個別の旅路であり、画一的に教えられるものではないと強く感じました。

Kafkaiでアイデアを検証することについて

ミートアップでは、私たちのAIベースのマーケティングツールであるKafkaiを例に挙げ、ビジネスアイデアの検証方法を共有しました。数多くの顧客との対話を重ね、彼らが抱える課題を丁寧にヒアリングした結果、Kafkaiが単なる記事生成や時短目的のツールではなく、小規模ビジネスオーナーの方々がコンテンツ戦略を熟考するための「指針」として機能することが明確になりました。実際のデモコールを経て、Kafkaiは顧客が抱える問題をしっかりと解決し、ユーザーのニーズに深く合致するツールになったため、強い推奨の声とともにサインアップや継続利用が進んでいます。

Pythonのコミュニティ

Pythonコミュニティは、私がグローバルな視点を身につけ、ビジネスオーナーとして成長するうえで大きな影響を与えてくれた存在です。彼らはテックコミュニティの中でも特に歓迎的であり、さまざまな背景やPythonの熟練度にかかわらず、新しく参加する人々を積極的に受け入れています。その姿勢が、多くの機会やアイデアを生み出す土壌を育んでいると感じています。

ちなみに、PyCon MY 2024は、8月24日と25日にSunway Universityで開催される予定です。

有意義に過ごした夜

ミートアップを振り返ると、貴重な機会をいただいて自身の経験を共有すると同時に、参加者の皆さまからの質問や視点から多くを学ぶことができました。こうした交流は、参加者にとってだけでなく、私自身にとっても大きな価値があります。常に学び続け、新しいアイデアにオープンであり続け、コミュニティに恩返しする姿勢を忘れないことが大切だと改めて感じました。

当日は、8時10分頃に始まり、20時30分までにスライドを終えて21時30分ごろに終了する予定でしたが、実際にはスライドを終えたのが21時30分、会場を出たのは23時30分という予想を大幅に上回る長丁場となりました。それでも皆さまは終始熱心に参加してくださり、率直なご質問もたくさんいただきました。可能な限り誠意をもってお答えできたかと思いますし、何かしらヒントを得ていただけたなら幸いです。あっという間の時間で、久しぶりに「時が経つのが早い」と感じる夜となりました。

これからのこと

マレーシアには、成長意欲が高く、何か大きなことを成し遂げたいと願う若いコミュニティが存在しています。世界が必要としているのは、学べる機会、成長できる機会、つながれる機会、そして試せる機会です。もしマレーシアで次のコラボレーターやパートナーをお探しでしたら、ぜひ私にご連絡ください。一緒に何か面白いことを考えましょう。

ありがとう

今回のミートアップにご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの存在や質問、そして積極的なご参加が、このイベントをより特別なものにしてくれました。私たちのディスカッションが、新たなアイデアや気づきにつながり、皆さまの起業家としての道のりに少しでもお役に立てれば幸いです。

会場を提供してくださったTaming TechDinoさん(プログラミングを学びたい方はこちらもぜひ)、受付を手伝ってくださったMesoliticaKhalilさん、そしてホテルまで送ってくださったAkmalさんには、特別に感謝を申し上げます。

もしミートアップを見逃した方は、当日使用したスライドをSlideshareにアップロードしましたので、ご覧いただければと思います。

次回お会いできる日まで、それぞれが境界を超え、現状を打ち破り、お互いを支え合いながら前に進んでいきましょう。

こちらの記事もどうぞ

kafkai logo